刺しゅう加工向きor不向きの素材とは

こんにちは。

丸田ししゅうの丸田です。

 

春らしい暖かい季節になりましたね。

ポカポカして外出するのが気持ち良いです。

衣替えで新しいユニフォームに新調したいorしたという企業様もいるでしょう。

 

でもオリジナルで作ってみたはいいものの、納品後に仕上がりを見てガッカリした経験はありませんか?

プリントの跡が残ってしまっている、刺しゅうの周りに皺が寄ってしまった、etc…

 

なので、今回は加工メーカー目線で春夏のオリジナルウェア製作にちょうど良いorあまり良くない素材をピックアップしていければと思います。

ひとまず刺しゅう加工編ですので、読んでみてくださいね~

 

刺しゅうに最も良い素材

まず刺しゅう加工と素材の関係を語るのに綿100%か、ポリエステル100%か、綿ポリエステル混合か、というのは実はそこまで大きく関係が無いです。

いきなりタイトルから外れることを言うようですが、真実です。

 

素材そのものよりも目の細かさや生地の厚みの方が大切な要素になってきます。

その上であえて素材に注目をしてお伝えするのであれば

Tシャツであれば綿100%が最も刺しゅうが綺麗に仕上がります。

 

もちろん綿にもグレードがあるので、綿100%でも粗悪なTシャツは世の中に溢れています。

さらに綿の産地などはなかなか情報として入ってこないので、可視化できる情報の中では

綿100%の中でも厚みのあるものの方が刺しゅうはきれいに仕上がります。

 

厚みを表す単位はオンス(oz)と言いまして、この数字が大きいほど厚みがあってしっかりした作りになります。

ボディの種類によっても変わるのですが、Tシャツの場合、標準の数値は5.0オンスです。

 

4オンス台になるとかなり薄いのでTシャツへの刺しゅう加工はお勧めしません。

当社で取り扱いしているアイテムで特にお勧めなものはこちらになります。

5942-01 プレミアム Tシャツ

4252-01 オーセンティック スーパーヘヴィーウェイト 7.1オンス Tシャツ

 

5オンス台でも刺しゅう可能ですが、刺しゅうのクオリティを重視するのであれば6オンス以上の質の良いTシャツがお勧めです。

販売目的の刺しゅうグッズを展開する場合は高級路線が多いので、そういった意味合いでもボディの質を上げることは大切です。

 

また、Tシャツ以外でもトートバッグやタオルなどもやはり綿100%でしっかりした作りの方が刺しゅうが綺麗にでてくれるのでお勧めです。

 

刺しゅうに向かない素材

刺しゅうは糸を引っ張って文字や柄を構成するので、機械から圧力をかけて生地を引っ張ることで糸を入れていく加工になります。

その為、薄い生地だと糸の引っ張りに生地が負けてしまってシワが寄ることが多々ある為、薄い生地は刺しゅうに不向きと言えるでしょう。

先述の綿100%の素材でも薄い3オンス台のTシャツであればやはり皺が寄ってしまって、仕上がりはきれいとは言えないでしょう。

 

薄い素材の代表としてポリエステル100%のドライTシャツやドライポロシャツがあると思います。

こちらは4オンス台であることが多く、刺しゅうに向いている素材とは言えないのですが、困ったことに刺しゅう加工の需要が多いアイテムでもあります。

特に屋外で作業する方は少しでも薄くて通気性の良い衣類をお求めになるので、ドライの生地に〇〇建設などの社名刺しゅうを要望するケースは非常に多いです。

さて、どうすればよいでしょう。

もちろん、刺しゅう一筋35年の当社には対策があります。

 

まず裏地に紙を入れることです。

ただの紙ではなく、不織布といって手でちぎれるけどティッシュのようにペラペラではない、そんな素材です。

 

こちらを裏側に差し込んで不織布ごと刺しゅうを施すことで、生地の強度を増すことが可能です。

現場スタッフが生地の手触りや厚みを調べ、不織布の厚みや枚数が最も適切になるようにします。

 

また、綿と同じくポリエステルにも良し悪しはあり、スポーツブランドのポロシャツなどは非常に細かいツルっとした生地で作られている場合があり、何も考えないで機械にかけると刺しゅうを入れた箇所から生地が裂けてしまうものもあります。

 

そんな例外にあたった場合、当社では針を専用のものに変えることで対応します。

こうすることでより生地への負担を小さく刺しゅう加工ができるのです。

また、当社で使用しているミシンはTAJIMA製の最新のタイプで、シワがよりにくくなるi-TMというシステムを導入しています。

詳しくはこちらに記載していますが、ソフト面(=スタッフレベル)でもハード面(機械レベル)でも刺しゅうに特化した高い基準を保つようにしています。

 

当社でお勧めのドライ素材アイテムはこちらになります。

5088-01 4.7オンス ドライシルキータッチ Tシャツ(ローブリード)

2020-01 スペシャルドライカノコポロシャツ

 

ドライ素材以外のポロシャツに刺しゅうを施す場合、刺しゅうの仕上がりを重視したい場合は綿とポリエステル混合のものがお勧めです。

5050-01 ドライカノコ ユーティリティーポロシャツ

ドライ素材よりも少しお値段が上がりますが、刺しゅうとの相性も非常に良いアイテムになります。

ラルフローレンやフレッドペリーといったポロシャツで有名なアパレルブランドに近い高級感のあるポロシャツになることでしょう。

 

刺しゅうができない素材

残念ながら当社の設備や技術を持ってしても100%刺しゅうが不可能な素材もあります。

それが天然革です。

 

革ジャンに刺しゅうをという問い合わせは多いのですが、革は厚みがありすぎるのと針を入れた瞬間に裂けてしまう構造になっているので、革専用の特殊な設備が必要になります。

 

合皮であれば問題ないのですが、厚みや作りによってはできないものもあるので、一度画像などで確認させて頂ければと思います。

 

まとめ

これまで刺しゅうと衣類の素材について解説してきましたが、いかがでししょうか。

刺しゅうに向いている素材、向いていない素材は多少なりとも存在しますが、刺しゅうにあまり向いてない素材でも企業努力で何とかしてしまう。

それが丸田ししゅうの強みかもしれません。

 

今回は春夏ウェアを引き合いに出させて頂きましたが、パーカやアウターにももちろん刺しゅう加工は可能です。

秋冬ウェアの場合はどのアイテムもある程度厚みがあるので、刺しゅうのクオリティとという面よりかは単純に保温性や好みで決められる方が良いかと思います。

 

帽子への刺しゅう加工も非常に多いのですが、3D加工を施す場合は厚みのあるしっかりしたキャップの方が相性がよいです。

 

初めて刺しゅうをお願いする方はよくわからないという場合も多いと思いますので、下記より一度お問い合わせ頂ければスタッフが説明させて頂きますので、宜しくお願い致します。

 

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