刺し子と刺繍の違い

遅ればせながら新年、あけましておめでとうございます。

丸田ししゅうの井上と申します。初めて記事を書かせていただきます。

 

皆様は年末年始をどのように過ごしましたか。

私は5年ほど会っていなかった友人とジビエ料理店に行きました。

何を食べたいか一ヵ月前から話し合い悩みに悩んだ末、二人でアナグマ肉のすき焼きをいただきました。肉の色味もさることながら、特に脂身が牛肉とは全く異なる味と香りをもっていて、独特のクセはありますがそれが割り下と合わさるととても美味しく、最後まで鍋をつつく手が止まりませんでした。

ジビエに抵抗のない方はぜひ試してみてください。おすすめです。

 

 そういえば、昨年4月に入社してもうすぐ2年が経とうとしています。

私は刺繡について何も知識を持たない所からスタートしました。大型の刺繡ミシンを見るのも初めてで、工場を見学した際に稼働している機械の音と速さにとても驚いたのを覚えています。糸の種類や太さ、布地、データ制作などを知識で理解するところからはじまり、現在は業務を通して実際に手先の感覚で様々な場面での対応方法を学んでいるところです。

日々の業務を通して知識や技術を学ぶだけではなく、刺繡への興味関心がより一層高まっていくのを感じます。糸の流れや間隔の開け方で幅広い表現ができて、それをデータ上で操作して大量生産できるところが魅力であると思います。まだまだ知識も技術も未熟ですが、機械刺繡の表現の可能性を広げていけるように精進して参ります。

2022年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

朝夕の空気がすっかり冷たくなって、冬の色が一層鮮やかに感じられるようになりましたね。

そんな季節の変わり目に、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。

 

日中、外出するにはちょうどいい空模様になってきました。太陽が出ている間は程よく暖かく、ちょっとそこまで散歩するのにうってつけの季節です。各地では紅葉の見ごろも次々到来していますので、近所の公園の木や街路樹の色からも、ちいさな秋を感じられます。

 

もう気が付けば1月。一年が終わるのもなんだか早いですね。年が明けてしまいましたが、家の大掃除を今から少しずつでも始めようかなと思っています。

 

 

さて、今回は刺し子糸と刺しゅう糸の違いに関してお話しできればと思います。

 まず、刺し子とは日本に古くから伝わる伝統的な刺しゅうです。布地の補強や保温のために、幾何学模様の図柄をひと針ひと針縫い込んで作る刺しゅうです。今から500年程遡った江戸時代中期に生まれ、日本全国各地で様々な技法が作られてきました。特に東北地方の刺し子の技法は広く知られており、青森県津軽地方の「こぎん刺し」や、青森県南部地方の「菱刺し」、山形県の「庄内刺子」は日本三大刺子と呼ばれています。

 手芸用品店に行けば刺し子の図案が入ったキットが多数販売されていて、手芸初心者でも手軽に始めやすい趣味の一つです。

 

では、刺し子と刺しゅうはどう違うのでしょうか。

私たちが普段「刺しゅう」と呼んでいる技法は、ほとんどがフランス刺しゅうです。フランス刺しゅうはヨーロッパ風の刺しゅうの総称で、様々な色の糸を使って絵を描き、服飾や室内装飾に広く用いられる技法です。

刺しゅうは、日々の生活に根付いて生まれた刺し子よりも、もっと装飾的な意味合いが強い技法です。糸で飾りをつける事を目的にする技法が刺しゅう、糸で縫うことで布の耐久性や保温性を高めて生活に必要な機能を補う事を目的にする技法が刺し子です。

また、使用する糸からも違いが見えてきます。

一般的な手芸用の刺しゅう糸は、何本かの糸が一つにまとまっている中から、自分で使いたい本数の糸を取り出して縫います。これにより布地や縫い方によって糸の太さを変えることができます。太さを変えることで繊細な図柄の表現の幅を広げることができます。一本一本の糸が細くてまとまっていないので、ほぐれやすく分けたときに絡まりやすいです。

反対に刺し子糸は、基本的に糸が既に縒ってありしっかりとした一本の糸になっているため、バラバラにして分けることができません。その代わりに様々な太さの刺し子糸が販売されています。太めの糸でしっかり縫いたい場合は、刺し子糸の方がリーズナブルであるかもしれません。

刺しゅう糸の方が色のバリエーションは多く、糸の表面に光沢があります。刺し子糸は少しマットな質感で、刺しゅう糸よりも長めの巻きで販売されていることが多いです。似たような糸に見えますが、二つの糸を並べてみるとその質感の違いに気が付くかもしれません。手芸用品店に行った際には、ぜひ糸コーナーに行って見比べてみてください。

 

手芸初心者の方は、まず技法に合わせて専用の糸を使うのがおすすめですが、二つを混ぜて使ってはいけないというルールはありません。縫うことに慣れてきたら、自分がやりたい表現に合った糸を選んで使うのが良いと思います。

 

さて、刺し子と刺しゅうの違いを紹介してきましたが、刺しゅうは少ない道具で誰でも始めることができ、やればやるほど奥が深くなる趣味だと思います。販売されているキットの種類も多く、街中の手芸教室やオンラインで行っている講座も多々あります。来る寒い冬の季節に、室内で楽しめる趣味として刺しゅうを始めてみてはいかがでしょうか。

 

とはいえ、丸田ししゅうは機械刺しゅう加工メーカーです。

手刺しゅうや刺し子とは違って、同じ柄を複数製作するのに適した加工方法ですので

工場やお店のオリジナルユニフォームや、販売用のグッズ製作にお勧めです。

昨今の円安による事情のせいか、海外工場に頼むと以前より割高になってしまうケースが多いようです。

当社だけではなく、様々なものの製作が国内メーカーに戻ってきています。

 

当社も例外ではなく、北は北海道から南は沖縄までたくさんの刺しゅう加工を請け負っておりますして

月曜から土曜まで、ほぼ毎日90%以上工場は稼働している次第です。

 

もし刺しゅうグッズ製作に興味がありましたら、お早目に下記のお見積りフォームよりお問い合わせ下さい。

(1点もののご依頼に関しては制限させて頂く場合がございますので、予めご了承下さい。)

 

 

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