新しい機械設置しました!

こんにちは。

丸田ししゅうの丸田です。

 

10月17日に新しい刺しゅうの機械を導入しました。

4頭機といって同じ柄を4点いっぺんに縫える業務用の機械です。

 

50~150点ほどの中ロットの依頼に向いている性能をしており

最近の当社のご依頼に絶妙にマッチしたボリューム感を賄える機械です。

本機械を入れて丸田ししゅうが所有する刺しゅう機は大小合わせて13台となりました。

設置には写真のようにクレーンを使って引き上げで台車や木材を床の上に置いて、ゴロゴロと転がしていきます。

 

もう何度も搬入に立ち会っているので、勝手知ったるといった具合です。

 

というのも私は2017年8月に入社してから、これで刺しゅうの機械を購入するのは10台目となり、平均するとおよそ1年に1台以上のペースで設備投資をしている計算となります。

 

冷静になって考えるとよくこのハイペースで投資をしていて、会社が存続しているなと思わざるを得ないです。笑

 

 

 

 

 

 

 

 

(有)丸田ししゅうは創業から37年の年月が経過し、刺しゅう業界を取り巻く環境もだいぶ変化しています。

昔ながらのやり方でうまくいっている会社もありますが、私は絶えず変化する時代に合わせて会社の仕組みも変えていく必要があるという考えです。

 

アパレルの生産サイクルというものはざっくり分けると

①企画

②裁断

③マーキング(プリントや刺しゅう)

④縫製

⑤検品・袋詰め

⑥流通

という工程で世の中に出ていたわけです。

 

このうち②~⑤に長くて数か月はかかってしまうのが、アパレル業界の当たり前でした。

その為、アパレルブランドは①企画で膨大な労力を使って、どんな素材、どんなデザインでどれだけ作れば最も効果が出るか、というものを考えに考えます。

 

冬物の商品を夏の間に企画・生産して在庫を確保しておき、秋頃から売り場に並べていくのですが、いつ頃から涼しくなるのか、または暑くなるのかというのはその時になってみないとわからない。

 

当たり前ですが、気温の変化を当てる精度は季節の変わり目に近ければ近いほど正確になります。

たくさんコートを生産したけども暖冬で思ったより売れ残ってしまいそうなので、SALEをしてなんとか売り切る。

このスタイルでこれまではどうにかやってこれたのがアパレル業界の常になります。

 

 

しかし、近年はこの予測をより正確にする為にあることが常態化しています。

 

それは②裁断と④縫製の工程のカットです。

具体的には縫製工場を経由せずにprint starやunited athleといった無地ボディを仕入れ

③二次加工を行い、タグをブランドのものに取り換えて包装することです。

 

メリットとしては先述の通り、裁断や縫製の工程を必要としない為これまで数か月あったリードタイムが数週間に短縮化されます。

その為、ギリギリまで気温を観察し生産個数を計算して売りロスを防ぐことにも繋がります。

 

デメリットとしては、無地ボディメーカーはそこまで奇抜な素材やシルエットの商品を販売しているわけではない為、こだわりの強いブランドにとってはあまり好ましくないかもしれないです。

 

しかしながら今はSNSで個人でも発信が容易になったことで、ブランドに意思を込め、上手に発信ができればブランド価値を高めることができるので、着心地やファッション性というよりはいかにフォロワーを獲得するか、といった手順が先行される傾向にあると考えています。

 

その為、無地ボディの特長さえ掴んでいればある程度の水準のブランドが作れますし、受注生産方式にすれば売れ残りが0になるので、赤字覚悟でSALEをすることも無くなります。

 

当然この流れは当社にとって追い風で、一昔前は縫製工場からの依頼に頼っていた営業スタイルもwebやSNSを通じて様々な方に知って頂けるようになりました。

 

もちろん大手アパレルブランドからのご依頼となれば、何千点、何万点という単位での依頼も見込めることでしょう。

しかしそういった大手の企業様からのご依頼は往々にして他にお付き合いをしている刺しゅう会社が入っているので、新規に参入するには非常に大変な労力と覚悟が必要になります。

 

それよりもまだまだマイナーな刺しゅうという二次加工を広く知って頂ける方が無理なく需要と供給がマッチするのではないかという方向性を定めました。

一般の方、個人ブランドからのご依頼は当然大手ブランドに比べれば数量は多くはなく、10~50点程でのご依頼がほとんどです。

日によっては2.3点だけという場合もあります。

 

しかしながら、逆に小~中規模向けの設備にシフトしていったことで機械の性能を余すことなく発揮できますし、従来の大型の機械も所持しているので、突然大規模の依頼が来ても対応できる体制も整えています。

 

組織の方向決めとしては間違っていないと確信を持って言えます。

規模が小さくても刺しゅうを必要としてくれる方を大事にしたい。

特に当社では「刺しゅうで事業に貢献」を企業理念としており、法人向けユニフォームや販売用グッズとして刺しゅうを活用して欲しいという気持ちで運営を行っています。

 

クラスTシャツや個人向けの1点ものもやらないわけではないですが

やはり企業理念から逸れるようなお問い合わせに関しては機械の状況によりお断りさせて頂くこともあります。

優先順位の都合上、恐縮ですがご理解頂けますと幸いです。

 

長くなりましたが、こちらの新しい機械は搬入した翌日から毎日フル稼働していますので、これからも刺しゅうで事業に貢献できるよう邁進して参ります。

 

今後とも(有)丸田ししゅうをよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

2025年10月
« 9月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031